第29回 新潟県長岡市   〜山本五十六元帥を輩出したわが国最大の花火祭りと日本一のジャンボ油揚げの街

 新潟県長岡市。人口は約26万人の県内第2の都市である。この長岡市からは多くの偉人を輩出している。まずは何と言ってもこの人抜きでは語れない山本五十六元帥である。日本海軍の連合艦隊司令長官で、当初は日米開戦に反対していたが、やむなくハワイ真珠湾攻撃を指揮した。幕末には新政府軍と戦って負傷して亡くなった越後長岡藩の家老を努めた河合継之助がいる。司馬遼太郎氏の小説「峠」のモデルでもある。また、日本ビールの父とも言われる中川清兵衛もいる。

 すでにご周知のことと思われるが、長岡市は秋田県の大曲、茨城県の土浦と並ぶ日本三大花火まつりの地としても有名である。1945年(昭和20年)8月1日に市街地の80%が焼野原となり、1482人もの命が失われた。その慰霊と戦後復興の願いを込めて、翌1946年(昭和21年)から毎年8月2・3日の両日に開催されている花火大会である。多くの人々に感動を与えているという。

 前置きが長くなってしまったが、長岡市には260年あまりにわたって作られている名物『油揚げ』がある。地元では「あぶらげ」と言われているが、2005年(平成17年)と2006年(平成18年)に行われた平成の大合併で長岡市に編入された旧栃尾町で今でも作られている知る人ぞ知る油揚げである。なんと言っても大きさがハンパではない。長さ20〜22センチ、幅6~8センチ、厚さ3センチというジャンボ油揚げである。そして、低温と高温の2つの鍋で二度揚げするので中の芯までふっくら揚がり、大きさと味ともに日本一の油揚げと言われ全国的にも知られている特産である。

 「栃尾のあぶらげ」の始まりは、江戸時代中期に当時、隆盛を極めていた地元の秋葉神社に佐渡や上州、会津などから多くの参拝者が訪れることから、何かお土産になるのはないか?ということで、江戸の豆腐屋で修行をしていた林蔵が考案して油揚げが作られるようになったという。その後、栃尾の馬市で馬の売買が成立し酌み交わす酒の肴に好まれ、手づかみができて満腹になるようにと今の大きさになった逸話が残されている。また、栃尾には「全国名水百選」にも選ばれた杜々の森の湧水や城山金銘水、守門名水、薬師清水といった数多くの名水があり、これらの良質な水を原料である大豆に染み込ませることで美味しい油揚げが作られている。

 最後に、長岡市は日本海随一とも言われる工業都市で、機械金属加工の技術力は全国でもトップクラスとも言われる産業集積都市である。昭和30年代、機械産業が比較的発展して「工作機械の長岡」とも言われるまでになり、地域産業をけん引してきた。また、伝統工芸品も数多くあり、中でも長岡仏壇は1980年(昭和55年)10月、越後与板打刃物は1986年(昭和61年)3月にそれぞれ国の伝統的工芸品の指定を受けており、伝統産業が盛んな地域でもある。

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1999年(平成11年)に開館した山本五十六記念館。五十六氏の大好物だった「水まんじゅう」を食することもできる。

(新潟県長岡市) 山本五十六記念館

(2012年4月撮影)




記念館のすぐ近くにある山本記念公園に建つ山本五十六元帥公像。五十六氏は、1943年(昭和18年)4月に南方の前線視察の最中にアメリカ軍機に待ち伏せされ、ブーゲンビル島上空で撃沈されて亡くなった。

(新潟県長岡市) 山本記念公園

(2012年4月撮影)


日本ビールの父とも言われる中川清兵衛氏の生誕碑。ドイツへ渡り、ビール醸造を学んだ初めての日本人。サッポロビール初代の醸造家である。2016年には与板中川清兵衛BBQビール園がこの近くに開園している。

(新潟県長岡市) 中町バス停前

(2012年4月撮影)


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