第14回 佐賀県佐賀市 〜有明海の恩恵を受けた高品質な佐賀海苔で17年連続販売枚数・金額が日本一
幕末に「薩長土肥」の一角を占めた肥前佐賀。現在の佐賀県。県庁所在地の佐賀市は人口約23万人。ここは地の利を生かした名産がある。佐賀海苔である。現在、17年連続で海苔の販売枚数及び金額で日本一となっている。
海苔と言えばやはり、おにぎりである。海苔はおいしいおにぎりには欠かせない。海苔は1500年前から食べられていたという日本人の食生活には欠かすことのできないものだ。収穫量も日本全体で720万トンのうち、佐賀海苔は180万トンで、全体の4分の1を占めている。(有明海は佐賀県のみならず、福岡県と熊本県にも隣接していることから、九州全体で約50%を占めている。)
この佐賀海苔のおいしさの秘訣は、やはり有明海という地の利を生かした点がはずせない。有明海は佐賀県の南部に位置し、6メートルという日本一の干満差で海水の栄養分と太陽の光を交互にたっぷりと吸収していることが大きい。また、徹底した養殖管理を漁家や漁連、佐賀県、大学の研究者が一体となって、1968年(昭和43年)に「集団管理方式」を取り入れ、日々変化する塩分や水温のデータなど海苔養殖の情報を提供している。
佐賀市での本格的な海苔づくりは1953年(昭和28年)頃から始まり、海苔づくりに最適な有明海の自然環境から生まれている。有明海には適度な潮流があり、大潮時に上げ潮と下げ潮の流向はほぼ逆向きに変わる。潮が川の真水と外洋の海水を混ぜ合わせ、海苔養殖に適度な塩分濃度に調合してくれる。また、養分や酸素を供給し、有明海の環境をも浄化しているのです。このような恵まれた自然環境と地の利を生かして佐賀海苔は日本を代表する高品質な商品の一つとなっている。以前、NHKあさイチで取り上げられていたが、佐賀県がコスメに力を入れており、ツバキ油の原料にこの佐賀海苔が使われており、東京などでかなり好評と言われている。
冒頭にも触れているが、佐賀県は幕末に明治維新を為し「佐賀の七賢人」を輩出している。これは幕末の名君・鍋島直正が人材教育に注力した賜物と言える。また、アームストロング砲という大砲を作り上げ、旧幕府との戊辰戦争に決着をつけた。あの薩摩藩よりも先んじて軍事力を強化した雄藩でもあり、最先端の技術力を持って明治維新に大きな役割を果たし、日本の近代化に大きく貢献している。
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(佐賀県佐賀市) 大隈重信記念館
(2016年6月撮影)
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