第39回 高知県安芸市   三菱グループ創始者・岩崎弥太郎氏を生んだ安芸市は『シラス』の聖地

 高知県安芸市。太平洋を望む高知県東部の中心都市で人口が約1万6千人の街である。毎年2月にプロ野球の阪神タイガースがキャンプを行う地として知られている。また、三菱UFJ銀行をはじめとした三菱グループの創始者である岩崎弥太郎氏を生んだ土地でもある。大相撲の力士も土佐ノ海と栃煌山といった元関脇の二人も安芸市の出身である。

 安芸市は太平洋に面していることから昔から漁業が盛んで、漁獲量の約90%が『シラス』で占められている「シラス」の聖地である。安芸市内には16件もの「シラス」を使ったちりめんじゃこ丼や「生シラス」が食べられる食堂がある。「シラス」を加工する工場と食堂が一体となっており、新鮮な「シラス」を食べることができる。

 2019年には全国47都道府県において、約30%の安芸市を中心とした高知県は第6位の漁獲量を誇っており、愛知県や静岡県などには漁獲量では劣るものの新鮮さでは引けを取らない。安芸市の『シラス』が聖地である所以がここにある。安芸市内の海岸通りは、天気の良い日には大量のシラスが天日干しされていることから、「じゃこ通り」とも呼ばれている。

 『シラス』はいわし類の稚仔(ちし)魚で、35ミリ以下程度のものである。黒潮が室戸沖に当たり荒波の中で育つことになり、身が引き締まって旨味が凝縮されて『シラス』になる。安芸市内の面積は88%が森林で、かつ、川も多く、山の栄養分が豊富に流れ込むことから、質の良いプランクトンを食べることで『シラス』の質も良くなっている。つまり、森に囲まれて質のいい『シラス』が育つ環境が整っている地の利が安芸市にある。特に秋が旬で、11月から翌年4月のものが多く、12月頃が一番おいしいと言われている。

 安芸市が発祥と言われているシラス漁だが、その多くは家族経営となっている。2010年(平成22年)には120あった経営体が、2019年(令和元年)には96にまで減少している。伝統産業における全国共通の悩みである経営者の高齢化と後継者不足の解消が今後の課題となる。いかにして漁業の担い手を確保して、かつ、育成していくか? 安芸市が『シラス』の聖地として存続していくてための大きな課題である。

 最後に安芸市は、『シラス』の他に「なす」や「柚子」「土佐ジロー(鶏肉)」も特産品であり、中でも「柚子」は全国生産量の約50%をを占めており、日本一の産地でもある。

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安芸市出身の岩崎弥太郎公像。三菱グループの創始者として知られている。明治政府から仕事を受注することで大きく発展させた。
1885年(明治18年)50歳にて死去。

(高知県安芸市) 上江ノ川公園

(2014年3月撮影) 安芸市井ノ口




1878年(明治11年)に荒廃していた邸地を岩崎弥太郎氏が買い取った清澄庭園。来賓の接待を目的として造園に着手した。後年に庭園内に洋館が建てられた。

(東京都江東区) 清澄庭園

(2011年1月撮影) 江東区清澄



明治維新から10年後の1878年(明治11年)に岩崎弥太郎氏が購入した六義園。江戸の二大庭園の一つに挙げられる名園である。

(東京都文京区) 六義園

(2016年6月撮影) 文京区本駒込


 





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