第17回 北海道小樽市 〜レトロな雰囲気の街並みと歴史を感じさせるオルゴール発祥の街
北海道の中心地である札幌市の西隣に位置する小樽市。人口は約11万人。ガラス工芸やお寿司通りに代表されるが、明治時代、ロシアとの交易や石炭の積み出し港、ニシン漁の拠点として栄え、20の銀行が軒を連ねた『北のウオール街』として一世を風靡した街である。この街で昭和の戦後以降、レトロな雰囲気の街並みとその歴史や趣が合うことから、「オルゴール」の販売が始まりました。
オルゴールは、1796年にスイス・ジュネーブの時計師によって作られたが、日本には開国間もない頃に入って来た。鎖国をしていた幕府と唯一取引があったオランダ人が江戸の深川で見世物として公開したことが始まりである。生産の中心はスイスで、とても高価な品物だった。しかし、第二次世界大戦後、日本がこの流れを変えた。その発祥が小樽市である。技術的に難しいと言われたオルゴールのシリンダー製造を機械化による量産化を成功させ、当時、駐留していたアメリカ兵のお土産品として人気を博した。その後、世界中にマーケットを広げ、小樽のオルゴールが知られるようになったのです。
小樽市で「オルゴール堂」が設立されて日本最大のオルゴール専門店として注目を集めました後、1983年(昭和58年)には東京で、1985年(昭和60年)には山梨県清里でオルゴール博物館が開館。さらに全国の観光地でもオルゴール店が誕生し、日本でのオルゴールブームが始まりました。日本の台頭でスイスのメーカーは凋落し、今では世界シェアの90%を日本のメーカーが占めています。
小樽のオルゴール発祥として知られる「オルゴール堂」は、1912年(明治45年)から米穀商であった共成の本社屋を利用して始まり、今では小樽観光の定番として多くの観光客で賑わっています。小樽ではガラス工芸も盛んなことからガラス製のオルゴールや、お寿司通りとして知られる小樽には約120ものお寿司屋があることにちなみ、お寿司のオルゴールなども作られて販売されています。本館だけで種類は約3400、25000点以上のオルゴールが販売されています。この建物は1989年(平成元年)3月に小樽市の歴史的建造物として指定を受けており、建物前には蒸気時計が設置され、記念撮影のスポットとして大人気で、メルヘン交差点は多くの人々が訪れています。
最後に、小樽市には観光の定番として「小樽運河」が有名ですが、明治時代に小樽港は開拓の玄関口として発展を遂げていき、1923年(大正12年)に小樽運河が完成。その後、1986年(昭和61年)に運河の埋め立てを巡って論争に発展。一部を埋め立て、幅の半分が道路となり、散策路や街園として整備されて現在の姿になっています。また、オルゴールのみならず、ガラス産業も「小樽ガラス」として知名度を確立させており、お土産の定番品として人気を博しています。
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