第16回 静岡県静岡市     〜木型模型からプラスチックモデルへの素材転換で全国シェア80%のホビーの街

 人口約68万人の静岡市。言わずと知れたお茶所だが、知る人ぞ知る伝統産業がある。プラモデルだ。静岡市はプラモデルメーカーが集積する街で、プラモデル出荷額が全国シェア80%と日本一で「模型の世界首都」と言われている。(出荷額は226億円)

 静岡市は豊富な森林資源を持ち、もともと駿河竹千筋細工や駿河蒔絵などの木工業が盛んだった。1924年(大正13年)に静岡市で初の飛行機乗りである青嶋次郎が青島飛行機研究所を設立。1932年(昭和7年)に木型模型飛行機の製造販売が始まり、これが木型模型の原点でもある。

 戦後の1950年代から外国産プラモデルが輸入去され始め、木型模型は押されてくるようになった。そこで、プラスチックへの素材転換を余儀なくされ、製造工程にも大きく影響した。スケールモデルと言って、自動車や飛行機などの縮尺物を中心に生産を拡大した。故にプラモデル産業が木型模型飛行機の製造が基礎となり、スロットレーシングカーやキャラキクター商品、スーパーカー、ガンダム、ミニ四駆などのヒット商品を生み出した。

 しかし、昨今の少子化やスマホの普及による遊びの多様化によって、模型に触れる子供が減少。生産規模が縮小してきた。そこで危機感を持った静岡市は「静岡市プラモデル化計画」として、市内四か所に「プラモニュメント」を設置。「模型の世界首都・静岡」を打ち出していった。また、2011年(平成23年)には「静岡ホビースクエア」として情報発信基地を設け、模型メーカー各社の製品、歴史が詰まった伝統工芸品が楽しめる場を作った。

 また、2018年(平成30年)からは、静岡市内の小学校で「プラモデル」を授業に取り入れ、「ものづくり教育推進事業」を実施。模型メーカー担当者と静岡大学教育学部の先生や学生が講師となって、市内の各小学校を回り出張授業を行うなどの活動をしています。

 木型模型からプラモデルへ素材転換を行うにあたり、製造工程が大きく影響を受けたが、江戸時代から行われていた漆器や下駄、家具などの産業が集積しており、素材転換を可能にするための関連技術が集積されていたことから、プラモデル産業が隆盛を極めたと言っても過言ではないでしょう。世界から人々を集めようと、毎年5月には「静岡ホビーショー」が開催され、国内外から多くの来場者を集めています。

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駿府城公園に建っている徳川家康公像。

江戸時代に培われた産業集積により、木型模型からプラモデル産業への転換を容易にした。

(静岡市葵区・駿府城公園)

(2015年3月撮影)



JR静岡駅北口ロータリーに建つ竹千代像。
竹千代とはあの徳川家康公の幼少期の名である。

(静岡市・葵区) JR静岡駅前北口

(2019年8月撮影)

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